第42回日本高血圧学会総会

The 42nd Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Hypertension

ごあいさつ

第42回日本高血圧学会総会 会長
石光 俊彦
獨協医科大学 循環器・腎臓内科 教授

大会長 石光 俊彦

第42回日本高血圧学会総会を2019年10月25日(金)~27日(日)の3日間、東京・新宿の京王プラザホテルで開催させていただくことになりました。このような栄誉ある機会をいただきましたことを、日本高血圧学会会員の皆様に心より感謝申し上げます。東京で開催されるのは2002年に藤田敏郎先生が開催されてから17年振りとなります。前年は旭川、次年は沖縄での開催になりますが、東京では交通至便の利も活かし、全国から多くの方々に興味を持ってご参加いただける内容となるように教室員一同力をあげて努めてまいります。

今回のテーマは「未来を支える血圧管理(Blood Pressure Control for the Future)」といたしました。現在、わが国では少子・高齢化社会が進行しています。従って、社会生産性を維持するためには、高齢者が健康を保ち社会活動を維持すること、すなわち健康寿命を延長することが必要になります。高齢者においては、悪性腫瘍,感染症とともに脳卒中や心筋梗塞などの脳心血管病が健康を脅かす主な疾病となっています。この中で悪性腫瘍や感染症は長期慢性化することは少ないのに対し、脳心血管病に関しては、例えば脳卒中後遺症で寝たきりになったり、末期腎不全に至り透析を行うようになった場合には、患者の社会活動が損なわれることに加え、長期にわたり高額の医療や介護の労力が必要な状況になります。また、多くの感染症もこのような状態において誤嚥性肺炎や褥瘡感染など、いわば脳心血管病から二次的に起こる合併症と位置付けられます。高血圧は脳心血管病の主要なリスクであり、その適切な管理は脳心血管症および付随する合併症を予防して高齢者の健康を高め、社会全体の生産性を維持するために重要な課題になります。一方、高齢化に伴い、わが国の医療費も増加を続けており、エビデンスに基づいて効率的かつ効果的な高血圧治療を行うとともに疫学的なアプローチの普及が求められます。今回の学会では、これらのようなわが国の高血圧に関連する問題について意見を交換するとともに、解決への方策について活発なディスカッションが行われることを期待します。

私が臨床研修を終え、高血圧を志して初めて高血圧学会に参加したのは1983年に国府達郎先生が松山で開催した第6回でした。当時は1会場で終日レベルの高い討論が活発に行われ、大変刺激を受けました。チャレンジを重ねて第10回総会で初めて演題が採択され京都国際会議場のメインホールで発表することができましたが、厳しい質問に頭が真っ白になったことを記憶しています。その後、高血圧が最も頻度が高い疾患で、その診療は広く一般医家に委ねられることから、高血圧学会の活動も裾野を広げ、複数の会場で様々な演題が行われるようになっています。今回の総会におきましても、多職種の医療従事者の方々の興味とニーズに対応したセッションを企画するとともに、最先端のオリジナルの発表に対し活発な議論が交わされる場を設けることに力を入れますので、是非、多くの皆様方にご参加いただきますようお願いいたします。